政府は1996年3月に新しい長期国債利回り指標 "TEC 10".に連動するOATを起債すると決定しました。これは二つの認識に基づくものでした。第一には当時投資家が表明していたこの種の商品に対する多様かつ高い需要に応えること、第二はより単純で長期債市場をより適切に反映し、国際慣行に則った指標を導入して、変動利付国債発行を近代化することでした。
"TEC 10" 指標はフランス内外の投機家が利用しやすいよう配慮して考案されました。国際的な投資家によく知られている "Constant Maturity Treasuries" と "Constant Maturity Swaps" の概念に整合する指標が選択されました。"TEC 10" は残存期間が10年に最も近い(発行残高は200億フラン以上、すなわち約30億ユーロ以上)OAT 二銘柄のレートから一次補間法により毎日計算される指数です。つまりこの指数は、満期がちょうど10年になる架空のOATの利回りに相当します。
この指数に連動するOATは成功裏に2銘柄起債され、すでに償還済みですが、3カ月毎に利率を先決めするクーポンが付きでした。2006年10月25日償還のOAT TEC 10 の初回発行は1996年4月9日、シンジケート団引受で実施されました。その後政府は投資家の需要に応じて公募入札で定期的に追加発行しました。さらに1997年3月に、2009年1月25日償還の新銘柄が1997年3月に起債されました。1998年5月から7月にかけて市場の高い需要に応えて129億1000万フラン(19億7000万ユーロ)公簿入札で追加発行されました。
2002年3月31日現在OAT TEC 10 両銘柄の発行残高は217億4000万ユーロに達し、うちTEC 10 October 2006 が118億9000万ユーロ、 TEC 10 January 2009が98億5000万ユーロでした。
現在発行されているOATは固定利付債で、元本が物価指数に連動する(OATi と OAT€i)ものもあります。2009年までは長期金利に連動する変動利付債もありました。政府は1996年4月に、長期国債利回り指数であるTEC 10(10年のコンスタント・マチュリティ−・レ−ト)に連動する変動利付債を起債したのです。
当時この発行は、より単純で透明で国際慣行に見合った指標作成により、政府の変動利付債発行を近代化したものでした。1996年と97年に起債された2銘柄(すでに満期償還済み)の特徴は広範な投資家にとって明解でこうした国債に対する関心を高めるもので、両銘柄ともに起債と同時に高い流動性が確保されました。
1. 基準レート
TEC 10 : 10年のコンスタント・マチュリティ−・レ− ト(CNO-TEC 10) は、満期が正確に10年に等しい架空のOATの複利式満期利回り(YTM)です。TEC 10は期限10年に一番近い(直前と直後)OAT 2銘柄の流通市場における利回り(YTM)から一次補間法により計算します。
計算手法:理論上の期限10年に一番近い(直前と直後)OAT 2銘柄の複利式満期利回り(YTM)から一次補間法により計算。
流通市場における当該市場セグメントに適用されるルールに従い、理論上の受渡し/決済日(当時OATはD+3)を実効日として気配値を設定。
基準OATの選択:固定利付き、満期額面償還、発行残高(払込済)30億ユーロ以上で毎年1月25日、4月25日、7月25日又は10月25日にク−ポン落ちのあるOAT。
計算と指標公表の頻度:毎日
公表機関:フランス国債庁。フランス国債庁は毎日15時前後に、主要金融情報リアルタイム媒体を通じて(www.aft.gouv.fr, Reuter page <TRESORTEC10>, Bloomberg TRESOR <GO>) その日のTEC 10 値を公表。またreuters CNOTECにも掲載。
2. 経過利子の計算
先決め型。次回のクーポン金利は先決め。計算は通常の債券と同様 (TEC 10).
3. 発行残高
2002年3月31日現在OAT TEC 10 両銘柄の発行残高は217億4000万ユーロに達し、うちTEC 10 October 2006 が118億9000万ユーロ、 TEC 10 January 2009が98億5000万ユーロでした。