政府は1998年9月15日フランスの物価指数に連動する国債(OATi)を初めて発行しました。さらに2001年10月にはユーロ圏の調和化物価指数(HCPI)に連動する国債(OAT€i)を初めて発行しました。
以来フランス国債庁は物価指数連動債を定期的に透明性を確保して発行して、フランスの物価指数に連動する国債と欧州物価指数に連動する国債の2つの利回り曲線を構築するとの約束を実行してきました。そのため毎年国債庁は発行プログラムのおよそ10%、需要が高い時にはそれ以上をこの種の国債に当てます(2010年10.8%、2011年10.9%、2012年9.6%、2013年9.9%、2014年10.2%、2015年9.5%、2016年9.6%)。
2004年以来OATi とOAT€iの発行は定期的に OAT中期債発行日に、これだけ別に11時50分に公募入札が実施されます。2016年度からは、8月と12月にも国債発行が実施されるときには、物価指数連動債発行も可能となり、その場合は第一木曜日11時50分です。OATiとOAT€iは、投資をインフレから保護し、負債をより良くカバーし、ポートフォリオの多様化を図るあらゆるタイプの投資家を対象とします。即ち居住者・非居住者を問わず、保険会社・年金金庫・保障性保険金庫・アセットマネージャー、銀行等の機関投資家をも個人投資家をも対象とします。
OATiの特徴
額面は1€、クーポン表面利率は発行時に元本(物価指数に連動)に対するパーセンテージで決定し、債券の存続期間中この数値は変動しません。クーポンは年一回利払い、後決め型で以下の式で計算します:クーポン表面利率×額面×連動係数。連動係数とは始点基準値に対するd日の物価指数基準値です。毎日の物価指数基準値は(m−3)月と(m−2)月の物価指数値を基に一次補間法で計算します。始点基準値は物価指数変動計算の基になる日の物価指数基準値です。基準指標はINSEE(国立統計経済研究所)がフランス全国の家計の消費について調査して毎月公表する消費者物価指数 (CPI)(たばこを除く)です。
連動係数は、起算日物価指数値に対するd日の適用指数値の関係を示します。毎日の適用指数値は(m−3)月と(m−2)月の消費者物価指数値を基に一次補間法で計算します。起算日物価指数値(1)は、そのOATi初回発行の利子起算日における適用物価指数値です。連動係数は利子起算日から計算時点までの物価指数変動の計算を可能にします。基準となる物価指数はINSEE(国立統計経済研究所)がフランス全国の家計の消費について調査して毎月公表する消費者物価指数 (CPI)(たばこを除く)です。
(1) 利子起算日とはあるOATの利子計算が開始される日、すなわちそのOATの初回発行日に先立つ利払日です。例えばN年4月1日にN年5月25日に利払いがあるOATが初回発行される場合、利子起算日は(N—1)年5月25日です。
OATiの満期償還額は次の計算式で算定します:額面×満期日の連動係数。満期日の適用物価指数値が起算日物価指数値を下回る場合は、額面償還が保証されます。
OATi にに係る計算の細密な枠組み
フランス国債庁はその発行債券についての計算を自ら担当します。すなわちフランス国債庁が連動係数の計算責任者なのです。国債庁が計算した毎日の適用物価指数値と連動係数は同庁のホームページで公表されています。
毎日の適用物価指数値と連動係数の計算に当たっては、フランス国債庁はすべてのOATiに共通する計算法を用い、これはフランス共和国官報に掲載される国債発行決定書に適用される規定枠組みに従うものです。国債発行決定書には、毎日の適用物価指数値計算に使われる物価指数はINSEE(国立統計経済研究所)がフランス全国の家計の消費について計算して毎月公表する消費者物価指数 (CPI)(たばこを除く)確定値であることも明示されます。
物価指数の基準改定、すなわち指数計算の基準年を改定すると統計機関(OATiについてはINSEE )が決定する時は、そしてこの場合に限って、OATi発行決定書に連動係数の調整方式について記載されます。「INSEEが消費者物価指数計算の基準を改定する時は、旧基準年で計算した物価指数から翌月の新基準年で計算した物価指数への移行は、新旧両基準で物価指数が公表される最後の年の12月の消費者物価指数で行い」、その際、 2010年1月21日の官報第17号(文書21)の記載に従って移行キーを以下のように算定します。