1985年以来「応募価格方式」(フランスでは「オランダ式」と呼ばれる)の公募入札が国債発行の優先的手段となり、銀行シンジケート団引受は特定の場合にしか使われません。
応募価格方式公募入札
公募入札は透明な手続により、事前に公表された入札スケジュールに従って実施され、応募者間の完全な競争条件が確保されます。「応募価格方式公募入札」では落札者は応募価格ないしは応募レートで購入し、リミットプライス又はリミットレートで買取るものではありません。「複数価格・封印価格方式公募入札」とも呼ばれます。価格の高い応募から順に落札し、国債庁が設定した発行予定額まで続けます。入札参加者は各自の応札価格で支払ます。
方式
- 入札の予告:BTFの場合は、フランス国債庁は入札の1営業日前に、BTF発行スケジュール(四半期毎)に記載された銘柄のそれぞれについて発行予定額の上限・下限を発表します。 OAT・BTANについては、国債庁は入札日の4営業日前に発行予定銘柄と発行予定総額の上限・下限を発表します。
- 入札の実施:引受機関(SVT)からの応札はフランス銀行に入札時間まで(中長期OATは10時50分、物価指数連動債は11時50分、BTFは14時50分まで)出せます。フランス銀行は応札者の名は伏せて応札内容をフランス国債庁に通知します。それを受けて国債庁は銘柄毎に落札額を決定しますが、リミットプライス(OAT・BTAN)又はリミットレート(BTF)での応札は比例配分で落札額を決定することができます。
- 落札価格の配信:落札結果は直ちに応札者に通知され、専門報道機関のスクリーンに表示されます。銘柄毎に応札額・落札額・リミットプライス(BTFではリミットレート)・加重平均レートが表示されます。
シンジケート団引受
もう一つの発行方式、確定引受は通常シンジケート団引受の形を取ります。これは銀行シンジケートを構成する引受機関と発行体との間のコミットメントであり、発行体と合意した価格で国債を買取るという約束です。
この手法は革新的な国債の発行や、超長期債(15年以上)等、市場の深みがないセグメントでの新規発行で利用されます。
2010年度以来のシンジケート団引受発行
- 2019年2月19日: OAT 1.50% 25 May 2050
- 2018年6月26日: syndicated tap Green OAT 1.75 % 25 June 2039
- 2018年3月28日 : OAT€i 0.10 % 25 July 2036
- 2017年5月16日: OAT 2.00% 25 May 2048
- 2017年1月24日: Green OAT 1.75% 25 June 2039
- 2016年9月28日: OAT€i 0.10% 25 July 2047
- 2016年4月12日: OAT 1.25 % 25 May 2036 とOAT 1.75 % 25 May 2066
- 2014年6月11日: OAT€i 0.70% 25 July 2030
- 2013年3月26日: OAT 3.25% 25 May 2045
- 2011年2月9日: OAT€i 1.85% 25 July 2027
- 2010年3月10日: OAT 4.00% 25 April 2060