2020年度年次予算法案に基づいて、ブリューノ・ル・メール経済財務大臣 は2020年度資金調達計画を発表しました。.
政府は2020年度、財政赤字934億ユーロ、満期償還中長期国債の借換1364億ユーロ(2020年度償還債の買入消却が2018年度・2019年度に411億ユーロあった)、その他資金需要 −13億ユーロ、SNCF Réseau (鉄道運行会社)の債務一部引取として、2020年度償還額のうち18億ユーロ支払いを賄わなければなりません。
この 資金需要の大半は中長期国債(OAT)発行2050億ユーロ(買入消却を差し引いて)と短期国債残高100億ユーロ増額でカバーします。短期国債は、近年国債発行プレミアム入金の増大により発行額、そして残高が減少していましたが、発行増加は流動性を高めるでしょう。国債発行プログラムを補う他の資金源158億ユーロには国庫預託元からの預託金増大とイノベーション基金充当額64億ユーロが含まれます。
このプログラムは2020年度予算法に基づくもので、同法は満期一年以上の国債発行額増減の上限を年度末における額面ベースで差引 745億ユーロと決めました。
例年のごとく国債庁は発行を需要に適合させ、フランス国債の流動性を確保します。特に発行額のおよそ10%は仏消費者物価指数・欧州消費者物価指数に連動する国債の発行に充てることを発行プログラムは予定しています。
フランス国債庁は市場条件をみながら、国債買入消却(BTF ・OAT固定利付債・OAT物価指数連動債)を実施します。
1国民議会(下院)で11月19日に第一読会で採択された時点の法案
補足情報
1. 国債新規発行銘柄
固定利付国債では :
- フランス国債庁は、 2/3年物国債と5年物・10年物指標国債を1銘柄ずつ公募入札で新規発行します。
- 国債庁はまたSVT(国債プライムディーラーズ)と連携して、市場の需要があるなら新発30年物指標国債をシンジケート団引受けで発行することも検討します。
物価指数連動債では国債庁は10〜15年物の仏消費者物価指数に連動する国債を1銘柄新規発行し、5年物欧州物価指数連動債 (OAT€i) を公募入札発行します。
国債庁は、2017年1月に起債したグリーン国債の追加発行を、市場の需要に応じて、2020年の適格グリーン支出枠を上限として、継続します。
フランス国債庁は既発の固定利付債や仏消費者物価指数・欧州物価指数に連動する国債の追加発行を市場の需要に応じて継続します。
2. 公募入札手法とカレンダー
8月と12月は、市場条件次第で、SVTの推奨があれば、固定利付OAT and/or 物価指数連動OATの公募入札が第1 木曜日に実施されることがありえます。他の月は、長期OAT(8年以上)の入札は月の第1木 曜日に、中期OAT(2年以上8年未満)の入札は月の第3木曜日に行われます。
固定利付OATの公募入札は10時50分に、指数連動OATは11時50分に実施されます。BTFの公募入札発行は毎週月曜日14時50分です。
フランス国債庁は、公募入札カレンダーが調整されるときは市場参加者に知らせます。
入札に付される銘柄については、昨年度までと同様に、SVTが予測する最終需要に応じて、指標銘柄以外のラインの追加発行をすることもできます。国債庁はまた、SVTの勧告があれば、指標銘柄以外のBTFの追加発行をすることもできます。
3. 国債平均残存年限の管理
2001年に開始された平均残存年限短縮の実施は中断されたままです。市場条件が相応しいと判断されるときには金利スワッププログラムは再開されます。
4. 2019年度発行プログラムの総括
2019年度中長期国債発行額は額面で2456億ユーロ、うち固定利付国債は2283億ユーロ、物価指数連動債は173億ユーロでした。
フランス国債庁は2020年度償還債を305億ユーロ、2021年度償還債を151億ユーロ買入消却しました。
2019年度末の短期国債(BTF)発行残高はおよそ1080億ユーロとなり、2018年度末の残高を50億ユーロ下回ります。
広報室
01.40.04.15.50